海外での販売ポテンシャルの探り方

ECコラム

こんにちは。コンサルタントのSophieです。
海外での販売ポテンシャルを探るためには、類似商品でのユーザの声調査、SNS管理・分析ツールの活用、およびN3調査などが有効です。

類似商品でのユーザの声調査

企業が海外市場での潜在性を判断する際、まずは自社の商品と類似した商品に対するユーザーの声を調査することが極めて重要です。顧客のフィードバックは製品の成功や失敗に直結しているので、彼らの反応を理解することで、市場の動向、消費者の嗜好、さらには競合他社と比較した際の自社商品の強みと弱みを把握することができます。以下にそのためのいくつかの手法を紹介します。

  1. ソーシャルメディアの活用: ソーシャルメディアは、消費者の声を把握する上で非常に効果的なツールです。Facebook、Twitter、Instagramなどのプラットフォームを通じて、顧客が製品についてどう言及しているかを調査します。また、ソーシャルリスニングツールを用いることで、特定のキーワードやハッシュタグを追跡し、ユーザーの反応をリアルタイムに把握することも可能です。
  2. オンラインレビューと評価: AmazonやGoogleのレビュー、口コミサイト、ブログ記事なども、類似商品に対するユーザーの声を収集する大切なリソースです。これらの情報を分析することで、顧客の満足度、製品に対する具体的なフィードバック、そして改善の余地がある点を特定することができます。
  3. アンケートやインタビュー: 上記の方法では、企業が知りたい情報が網羅されていない場合もあります。より深く顧客心理を把握したい場合は、アンケートやインタビューを行う必要があります。これにより、消費者の具体的な意見や感情、製品に対する期待などを詳細に調査することができます。

SNS管理ツールの活用

SNS管理・分析ツールを活用することで、自社のブランドが海外市場でどのような潜在的可能性を秘めているのかを判断し、さらにどの地域や国が最も有望な市場となるのかを理解することは、現代のグローバルビジネスにおいて極めて重要です。以下にそのためのいくつかの手法を紹介致します。

  1. ソーシャルリスニング:ソーシャルメディア上の会話を監視し、分析することを指します。特定のキーワードやハッシュタグを追跡し、その結果から自社ブランドや製品に対する消費者の意見や感情を把握することができます。また、ソーシャルリスニングは、どの国や地域からの投稿が多いのか、あるいはどのような言語で投稿されているのかを理解するためにも利用可能です。
  2. 競合分析:競合他社のSNSアクティビティを分析することで、どの市場で彼らが成功を収めているか、またその理由はなぜかを探ることができます。これは、自社ブランドが海外市場で成功するための戦略を練る上で非常に有用な情報源となります。
  3. デモグラフィック分析:多くのSNS管理・分析ツールは、フォロワーの年齢、性別、地域などのデモグラフィックデータを提供します。この情報を活用することで、自社ブランドがどの地域や国で人気があるのか、またどのような人々がブランドに興味を持っているのかを把握できます。
  4. ユーザーの感情分析:ユーザーの投稿から感情を分析し、その結果を用いて製品やブランドに対する一般的な感情を理解します。たとえば、特定の地域で多くのネガティブなフィードバックがある場合、その地域の市場では成功が難しいかもしれません。一方、ポジティブな反響が多い地域は、そのブランドが海外で成功する可能性がある市場となり得ます。
  5. 地域別のアクティビティ分析:ブランドに関する投稿が最も多い地域を特定します。これは、そのブランドが最も大きな影響を及ぼす可能性がある市場を示しています。また、これらの地域の消費者がどのような製品やサービスに反応しているのかを理解することで、市場戦略をより具体的に策定できます。
  6. トレンド分析:市場のトレンドや消費者の嗜好を把握することは、製品やサービスが海外市場でどの程度受け入れられるかを予測する上で重要です。SNS上のデータを分析することで、これらの情報を得られます。

以上のように、SNS管理・分析ツールを活用することで、自社ブランドが海外市場でどのように受け入れられ、どの地域や国が市場を持つ可能性があるのかを理解することが可能です。これにより、ビジネス戦略をより効果的に策定し、グローバル市場での成功を実現することができます。

N3調査

N3調査は、3人の対象者を集めて1人がインタビューするという革新的な質的手法です。

このアプローチは、元マッキンゼーのコンサルタントで、現在は人事コンサルタントとして活躍する小川政信氏によって提唱されました。彼は世界のビジネスの50%が初歩的なエラーを認識できないと述べています。N3アプローチは、それらを早期に発見し、適切な方向に軌道修正することを目指しています。大量の時間と費用をデータ収集と分析に費やすよりも、限られた時間内で素早く的確に意思決定をする方がはるかに実用的だと主張されています。

N3の主な利点は、迅速性、コスト削減、そして深い洞察力を発見する能力です。まず、伝統的な量的調査と比較して、N3調査はデータの収集と分析にかかる時間を大幅に短縮します。次に、大規模なアンケート調査と比較して、N3調査は小規模で行われるため、コストも大幅に節約できます。最後に、伝統的な研究は統計的であり、個々の対象者に対する深い洞察を提供するものではありません。しかし、N3のデータは企業が自身の特性を見つけ出し、競合に対する優位性を活用するための深い洞察を提供します。したがって、外国の顧客の洞察を低コストで迅速に把握し、その結果から海外市場での潜在性を判断したい企業にとって、N3の調査方法は非常にお勧めです。

N3調査の一般的な手順を紹介します。ただし、ブランドやアイテムごとに特性が異なるため、具体的な手順はそれぞれの状況に合わせて調整する必要があります。

  1. 対象者の特定: ターゲットとする市場またはユーザーを代表する3人の個人を選びます。これらはターゲットによって、潜在的な顧客、既存の顧客、または業界専門家となる可能性があります。
  2. インタビューの準備: インタビューの前に、洞察を得るための質問リストを準備します。質問はオープンであり、十分な議論を可能にするものが望ましいです。
  3. インタビューの実施: インタビューは1人のインタビュアーが行います。その者が参加者の回答に影響を与えることなく、生産的な会話を進行できるように訓練を受けていることが重要です。インタビュアーは、対象者が快適に感じ、自身の本音や経験を共有したいと思えるようにすることが必要です。
  4. 結果の分析: インタビュー後は、回答を分析し、調査目的に対応する洞察やパターンを見つけ出します。3人の対象者の回答に共通する点や相違点を見ることで、全体像を理解することが可能になります。
  5. 調査結果の活用: N3調査の目的は、単にデータを収集することではなく、そのデータをビジネス改善に活用することです。初歩的なエラーの発見と修正、より迅速で的確な意思決定、市場に対する深い理解など、N3アプローチから得られる洞察は、新たな戦略を構築する際の重要な要素となります。

まとめ

海外での販売ポテンシャルを探るための手法として、類似商品でのユーザの声調査、SNS管理・分析ツールの活用、およびN3調査をご紹介しました。これらの調査手法を組み合わせることで、海外市場での販売ポテンシャルを評価することができます。ただし、注意点として、言語や文化の違い、現地の法制度、競合他社の存在など、海外展開に際しては様々なリスクや課題を考慮する必要がある点もお忘れなく。

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