ファンコミュニティ運用担当者のナレッジ共有を目的とした「オフサイトミーティング#3」を開催

開催の経緯

2021年11月12日、イーライフでは「オフサイトミーティング#3」をオンライン開催いたしました。このミーティングは、ファンコミュニティサイト運営におけるいくつかの課題をテーマに、企業コミュニティ運営ご担当者の方々をお招きして定期的に実施しております。コミュニティ運営やユーザーコミュニケーション施策を担当されている企業間の情報交換、あるいはナレッジ共有によって新たな気づきを得ていただければ、との思いで今回は5社5名のご担当者にご参加いただきました。

【参加企業一覧】
アサヒグループ食品様、 エスビー食品株式会社様、 カゴメ株式会社様、 株式会社そごう・西武様、 マルハニチロ株式会社様 ※50音順、以下文中は敬称略  (当日はできる限り闊達な議論ができるように人数制限を設けた抽選制とさせていただき、当日は検討中の企業様も含めて上記5社から5名の企業担当者に参加いただきました)

司会進行役は株式会社アイ・ティ・アール シニアアナリストの水野慎也氏です。水野氏はカゴメ株式会社にてデジタル・マーケティングに携わり、広告宣伝部門ではファンコミュニティサイト『&KAGOME(アンドカゴメ)』における”なかのひと”として運営しておりました。

水野慎也(みずのしんや)
株式会社アイ・ティ・アール シニアアナリスト / 合同会社ミッケテック 代表

カゴメ株式会社にて、情報システム部門、広告宣伝部門に在籍。サプライチェーンマネジメントをはじめとした情報システム構築他、Webサイト・SNSを活用したデジタルマーケティングを推進した。また、広告宣伝部門ではファンコミュニティサイト&KAGOME(アンドカゴメ)を”なかのひと”として運営した。現在、株式会社アイ・ティ・アールにてIT市場のリサーチに携わる他、企業コミュニティと中心とした顧客エンゲージメントに関する執筆活動と企業へのコンサルティングを行う。

今回のディスカッションテーマは大きく2つです。「オンラインにおけるファンコミュニケーションの活性化」「インナーマーケティングによる社内周知」。どちらもコミュニティサイトの運営において欠かせない重要な要素です。ディスカッションは盛り上がり、規定時間をオーバーして白熱しました。同じ立場・課題を抱く方々の参考になるように、当日の様子と内容を抜粋・要約してお届けいたします。

Theme1.-オンラインにおけるファンコミュニケーションの活性化

長らく続いたコロナ禍によって、ユーザーとのコミュニケーションの形態はオンライン中心になっています。かつては開催できたオフラインイベントも、現在はなかなか実施できない企業も多いのが現状です。そんな条件下において、コミュニティサイトを運営されている担当者の方々は、どのような施策をされているのでしょうか。そしてファンとのコミュニケーションの活性化についてどのような成果があったのかを伺ってみました。

A1: 今年立ち上げたばかりのサイトなので、まだ手探り状態で進めている。ユーザーがこのサイトで「コミュニケーションをとりたい」「情報交換をしたい」と思ってもらえるような場所にしようと心がけて発信をしている。その動きをどうすれば促進できるのか。現場スタッフとも話し合って、いろんな仮説を立てている。そのひとつとして、トリビア的なクイズには反響があった。「日本酒に賞味期限がないことをご存知でしたか?」という投げかけに対して、多くのユーザーが反応を示してくれた。知識を深めたい人には、そういったタメになるコンテンツが好まれるのだと感じた。こういう成果をひとつひとつ見返しながら、地味な作業をやっている。

A2: コロナ禍になってからなかなかオフラインイベントの開催は難しい。今年はすべてオンラインイベントに切り替えている。会員向けの「栽培相談会」は成功を収めた。当社の研究施設にいる栽培のプロの社員とオンラインでつないで、野菜の栽培に関する相談を受け付ける形で行った。パネリストとして参加してもらった会員に、実際の栽培の様子を撮影してもらいながら、悩みを話してもらい、社員が回答する。パネリストの参加者は4~5名だが、オンラインで300名ほどの会員に視聴してもらえた。チャットには1時間で約1300件のコメントが入った。シンプルなことをコツコツとやっている。

A3: 昨年ぐらいから取り組んでいるのは、会員からのコメントに、社員が返信することを積極的にやり始めている。それまでは、会員同士のコミュニケーションはあったが、コメントに対して事務局なり社員なりが、返信するケースは少なかった。もちろん必要な質問などには対応していたが、双方向のコミュニケーションは行っていなかった。会員とコミュニケーションをするようになった現在は、より温かなやりとりが生まれたり、特別感が高まったと感じている。この取り組みはこれからも続けていきたい。

どの企業もユーザーを熱狂させるような取り組みや、心に残るような施策をされています。運営側からどんなコンテンツをどう見せるかあるいはどんなテーマを投げかけるのかが重要です。それこそがユーザー同士が盛り上がるために、投稿した方たちへのフォローも含めて運営側でやる秘訣のようです。もうひとつの秘訣は、ユーザー同士の循環です。どんなコミュニティサイトであっても、つねに新規ユーザーと、既存ユーザーがいます。いわば、ビギナーとベテランのような関係です。この2つのグループにどううまく交流してもらうか。あるいはライトユーザーと、ヘビーユーザーという見方もできます。SNSの世界は、8割ぐらいの人は読む専門のライトユーザーかもしれません。2割のヘビーユーザーが書いている投稿記事を8割の人が見ている。そこで運営側の手腕も問われるわけです。ビギナーやライトユーザーに参加してもらう方法として、たとえば投票やクイズという施策もあります。ただクリックするだけなら、ライトユーザーも参加しやすいのです。その行為によって、自分もイベントに参加し、このサイトの人達とつながってるという感覚を持ってもらえます。

例えば、カゴメ社の運営する「&KAGOME」では、
“レビュー投稿で良質なコメントをくださった方や、多くのレビューを書いてくださった方など、一定条件をクリアしていただくと『レビューの達人』という称号を差し上げています”。
アサヒグループ食品社の運営する「Dear-Natura &me」では、
“アンバサダーに認定された方たちはイベントに優先的に参加できます。それを記事にあげていただいて、その人達の口からコメントを出してもらう。あとは『つぶ』というポイントを差し上げています。ログインしたり、投稿や『いいね』などアクションをしていただくと、すればするほどたまっていくんです。『つぶ』数に応じて、会員限定キャンペーンやイベントに参加できます”
などコメントやアクションするごとにポイントやバッジが獲得できるなど、各社それぞれユーザー心のくすぐり方を工夫して設定しているようでした。

Theme2. -インナーマーケティングによる社内周知

社内へのインナーマーケティング、あるいは社内周知に関しては、避けては通れない道かもしれません。コミュニティサイトは売上に即つながるわけではありませんが、予算は必要なので、一定の効果を示さなければ認知も難しくなります。社内協力をあおぎ、背中を押してもらえるような活動について、皆さんはどう考えているのかを伺いました。

A1: KPIに関しては開設当初からアクション率を追っている。目安としては10%を維持することをKPIとして持ち続けている。社内認知に関しては、地道な個人活動がメインとなっている。主には、管理する広告部が毎月一回発行する月報を活用して熱意をもって取り組み内容やその経緯、気づきを伝えようとしている。また、別件の業務で連携する機会のある部門にもファンサイトの存在やその中でできることを紹介している。今後は普段業務の中でファンとつながりにくいような部署にも積極的に声をかけて連携していきたい。

A2: 現在、各事業に窓口をひとり設けてもらい、協力体制を仰いでいる。社内的なところは地道に声をかけて回るのが一番だと考える。多目的スペースにポスターを貼ったりもした。あとは部署からの相談に積極的に応じる。社内のSNSも担当しているので、この商品でマーケティングが出来ないかと依頼を受けると、それならFacebookがいいとか、丁寧にコミュニティでやるのが合うかもしれないとかアドバイスしたりしている。仮にコミュニティと全然関係ない相談をもらった場合でも、「コミュニティサイトを使う方法もある」と返したりもしているただやみくもに全社に伝えると言うよりは、丁寧に伝えていきたい。

A3: サイトの立ち上げ時から毎週、「先週は会員数がこれだけ増えました。こういうアクションがありました。こんな商品を投稿されています」と週報という形で発信している。我々もやみくもにみんなに送っても効果が薄いと考えるので、ある程度わかってもらえそうところや、一緒にやった店舗のメンバーなどに共有してもらっている。

参加者の現在進行形の状況を聞きながら、水野氏も当時のご自身の経験を語ってくださいました。「どうしてもKPIの話になって『売上がどれだけ上がってるんですか』みたいな話になりがちです。でも、コミュニティサイトにはクチコミが広がったり、熱狂度がライト層に波及していくような、数字で追えない波及効果がある。社内のどのマーケティング課題をこのファンサイトで解決するんだという軸を持つべきかなとも思います。」

参加者の声

今回の参加者から寄せられた感想の一部をご紹介いたします。開催してよかったと私達が思える嬉しい声でした。
「貴重なお話を伺わせていただきました。実際に運営されている人のお話を伺うと、同じような思いをされているんだなとか、勉強になることがたくさんありました。また是非参加させていただきます」
「同様で、スタートして1ヶ月でバタバタしている状態なので、運営側の皆さんとお話できたのは非常に参考になりました」
「各社さまのファンサイトを見させていただきます。私どものサイトでも、ファンから熱量を上げてヒットを産めたらいいと思います」
「皆さんのサイトで、ファンの人達に楽しんでもらうというルールを決めているのが良いと参考になりました」
「弊社のみ検討中ですが、成功事例や悩んでいるところなど諸々聞かせていただいてありがとうございます。今後、実施する場合は活かせていけたらと考えております」

主催者後記 -オフサイトミーティング#3-1の振り返り-

今回ご参加いただいた企業様は「すでにコミュニティサイトを数年運営している」「今年開設した」「現在検討中」とさまざまなお立場の方々でした。それぞれ抱える問題がありながら、同じ立場の人たちと話すことで、共感し、解決のヒントを得るなどとても有意義な時間をお過ごしだったと思います。イーライフでは今後も、今回のような会をはじめ、様々な企画や情報発信を行ってまいります。他企業様とディスカッションしてみたいテーマのご希望などがあれば、お気軽に担当者へお声がけください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

■関連情報 参加企業プロジェクト一覧
「Dear-Natura&me」 (アサヒグループ食品)
「&KAGOME」 (カゴメ株式会社)
「マニア区」 (株式会社そごう・西武)
「Oishiine!!(おいしいね!!)」 (マルハニチロ株式会社)

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