ファンコミュニティ運用担当者のナレッジ共有を目的とした「オフサイトミーティング#2」を開催

好評だった第1回に続き、2021年5月26日、ファンコミュニティサイト運営におけるいくつかの課題をテーマに、5社5名の企業コミュニティ運営ご担当者様をお招きした「オフサイトミーティング#2」をオンライン開催いたしました。

開催の経緯

4月に開催された「オフサイトミーティング#1」では、担当者様が抱えていらっしゃる想いや悩みなどがわかり、参加者の方から「とても有意義な時間だった」と喜びの声をいただきました。そこで、同じテーマで新たな企業様を募り、2回目を開催致しました。今回も参加者同士で質疑が行われたり、相談しあったりとディスカッションが活発に行われました。

【参加企業一覧】
アサヒグループ食品株式会社様、サンスター株式会社様、大和ハウス工業株式会社様、東映アニメーション株式会社様など  ※50音順、以下文中は敬称略(当日はできる限り闊達な議論ができるように人数制限を設けた抽選制とさせていただきました。多くの参加希望を頂戴したなか、当日は上記等5社から5名の企業担当者に参加いただきました)

 

Theme1 – ファンを育てる”場づくり”はどのように評価すべきか?

「定量ではなく数字で現れない部分をどう扱ったらいいのか課題を感じている」ファンコミュニティの理想はユーザー同士が活発にコミュニケーションすることで自走し、かつ企業との関係性が深まることです。どのように関係を築いていくべきか?また、その深さや成長度合はどう測るべきなのか?各企業様で同様のお悩みがあるようです。一つの指標として挙がったのが、企業やサービスの「他者推奨度」を測るNPS(ネットプロモーターズスコア)*1 です。まわりの人にもシェアしたくなるようなファンマーケティングとはどんなものなのか、NPSを活用してどんなPDCAが可能なのか、さまざまなディスカッションが交わされました。
*1 NPS(ネットプロモーターズスコア)とは、消費者自身がそのブランドを好きになってくれて、推奨してくれるという指標です。

Q:NPSをどう活用していますか?

A1:NPSは数年前からイーライフに提案されており、今年初めてやろうとしている。今後どうコミュニティの運用につなげていくかを検討したいと考えている。
A2:自社のオンラインショップの会員データとコミュニティ、店舗の売上データをつなげて行動分析をしていて、相関性が少しずつ見え始めている。広告部門と協力して分析している。
A3:NPSはまだ導入はしていないが、コミュニティサイトで商品を理解してもらうだけでなくユーザ同士が悩みに対してアドバイスをして助け合う、というような感情のコミニケーションも促進したいと思っている。そのような数値で測れない指標としてNPSは魅力的だと考えている。


アサヒグループ食品が運営する「Dear-Natura&me」は2021年からアンバサダー施策、LIVE施策を実施してユーザーコミュニケーションの活性化を促進している


サンスターの運営する「Club Sunstar」は情報発信の場を作ることを目的にスタート、現在はコンテンツマーケティングに注力し月8−10本のコンテンツを公開

イーライフのサポートしている企業様の中でもNPSが高い人ほどその企業の商品を購入してくれる割合が高いことが証明された、として継続的に活用している事例もあります。企業に対するファン度を測る一つの指標として、有効に活用されていることがわかります。

Theme2 – ファンとのコミュニケーションの上手な取り方とは?

イーライフでは、コミュニティでは「ファンとインタラクティブにコミュニケーションできる場」であるべき、という考えに基づいてそれぞれの企業様の特徴に合わせたご提案をしています。ご担当者の目線では、どう工夫をされているのかをシェアしていただきました。

Q:オンラインでロイヤリティーを向上させるためにどんな施策や工夫をしていますか?

A1:これまでは数千人規模のファンミーティングを年に1回開催してきた。数名、数十名の小規模でもファンの総意を汲んだり、要望に応えられるようなイベントを考えたいと思っている。コミュニティをローンチさせたばかりなので積極的に交流の機会を創出していきたい。
A2:初めてコミュニティから選出したユーザー座談会の機会を設けた。ある程度ユーザーが限られる商材のため、ユーザーが正直に伝えてくれるか不安はあったが、結果的に赤裸々に開示してくれたおかげで正直な情報に触れられ、成功したと思っている。この結果を、コンテンツや販促に繋げたい。
A3:記事を読んだ感想などを、次の編集会議などにフィードバックするなど、コミュニティサイトで発信するコンテンツでの共創に取り組んでいきたいと思っている。
A4:「コミュニティサイトはユーザーの声を聞く、吸い上げさせてもらうもの」と定義している。薬機法の関係上、会員同士で商品について語り合うことが難しいため投票機能を設けてユーザの声を見える化している。そのほか、オンラインのライブイベントをこれから開催する予定。


大和ハウスの運営する「ダイワファミリークラブ」はダイワハウスのオーナー同士、オーナーとダイワハウスとのつながりの場として、2020年にリニューアルオープン。コンテンツ発信の他に、日常の投稿からお悩み解決のQ&A、ギャラリーなど、クローズドならではの「つながり」づくりに取り組んでいる。

このテーマでは、各社業種やユーザーの特性に合わせ、どんなコミュニケーションを検討されているかが話し合われました。特にアンバサダーの施策が参加者の興味を引いたようで、人数、どんな人がアンバサダーになっているのか、アンバサダーにどんなことをお願いしているのか、などたくさんの質疑が挙がりました。「職種は特に規定していないが商品のことがとても好きな人、熱量や意気込みなどをじっくりみている」という回答に、企業がユーザーと真摯に向き合っている姿勢を感じました。事例を聞いて、今年取り組みたい!と前向きになった参加者も多くいたようです。

Theme3 – 他部署の人たちを上手に巻き込むことが大切

「コミュニティサイトを立ち上げたばかりでまだ社内でも浸透していない」「現場担当の営業がコミュニティーサイトを知らない場合がある」など、社内認知での課題を抱えている声も多くありました。

Q:コミュニティサイトをどのように社内へ浸透させていますか?

A1:会員のみのクローズドコミュニティではあるが、ユーザの声を営業やサービス面の向上に繋げられるよう他部署へ情報共有をしている。ネガティブなコメントだけでなく、社員のモチベーション向上と言う点でコミュニティから得られるポジティブなユーザーの声も積極的に展開活用している。
A2:コミュニティサイトの運営が売り上げに貢献するかが課題ではあるが、トップが中長期的な目線で理解を促してくれる。各ブランドで予算を持つ構造体系に変えた事もあり各ブランドがそれぞれ責任を持ってコミュニティでやりたいことを提案してもらうよう、巻き込んでいる。

東映アニメーションが運営するデジモンパートナーズはユーザーとグッズを始め色々なモノ・コトを共創する場として発展させようとしている

組織の中でコミュニティの重要性を理解してくれる方の存在はとても重要です。コミュニティから得られた情報を適宜担当部署へフィードバックすることで関心を高めたり、それぞれ工夫している様子がみられました。

Theme4 -チーム構成は?実務のリアル

ディスカッションが深まる中、参加者からは、現場担当者ならではのお悩みが出てきました。

Q:「コミュニティはほぼ1人で運用しています。みなさんはどのくらいの頻度でコンテンツを上げていますか?」

A1:何人かのメンバーのリソースを立ち上げると1.6人分位。情報発信を中心にしているため、メルマガ10本/月、プレゼント企画1本/月など。
A2:1人+各ブランドのマーケティング担当。メルマガは1本/月、コンテンツ1本/月プレゼン企画1本/月
A3:コミュニティ担当は1人。それ以外に適宜数名に分担。メルマガ配信対象週に1本、キャンペーン等の企画は隔月、コンテンツ作成はユーザーの要望に合わせて不定期に発信している。
A4:コミュニティ担当は1名ECサイトは別まだ読み物系のコンテンツしか用意してきていない読みものは2本以上+告知月1本は企業主導のもの別のパートナー企業に記事をお願いしている

コミュニティのメイン担当者人数は、結果としては平均1.5人。それぞれのプロジェクトで業態や取り組みは多岐にわたりますが、各社同じような体制で運営しているという事実に、励まされるような思いを感じられる方もいらっしゃいました。
関連する話題として、メルマガの効果に関する質問も挙がり、各社から「アクセス増のためにメルマガ配信はやはり大切。ただ、多すぎると逆効果になるので、タイミングや配信頻度、中身は熟慮するべき」というようなアドバイスもありました。

参加者の声

「長期にわたる関係構築のため、ファンの気持ちを大事にできる施策をやりたいと考えていたが方法が分からなかったなかでアンバサダーは意識を育てるのに良い切り口なのではないかと感じた。コアユーザーを中心としたコミュニケーションをもっと深めていきたい」

「数字に表れないところも大事だと思っているがどう評価したら良いか分からないと思っていたのでNPSは良い指標だと思っている。コミュニティーの活性化にキャンペーンなどを使っている事例が参考になった」

「ユーザのロイヤリティーやり方はそれぞれあるか関与度を上げていくということがキーになるということがわかった。多くの事例を聞いて、考え込まずに積極的に実践してみようと思った」

「たくさん質問に答えてもらって嬉しかった。作業が孤独だな…と思ったりすることもある中で参加者が同じことを思っていると知れて励みになった。コミュニティを続けることがファンにとっても大事なことだと思えるのでとても参考になった」

主催者後記 – オフサイトミーティング#2の振り返り

「コミュニティ運営のスキルはもはや特殊技能なのでは、と感じることもあり、もし他人に引き継ぐとしたらどう伝えればいいか、わからない」という不安に対して、あるご担当者様が「基本的に1年半スパンで担当者は変わっている。担当者が変わることでやはりカラーが変わるが、その時の担当者が全力でユーザーに向き合いさえすれば、変わることは問題ないと考えている。」と回答されていたのがとても印象的でした。KGIやKPIさえブレなければ、各担当者が責任を持って運営していけばいいという覚悟を感じることができました。

サイトを見てくれた多くの人が、そのブランドや商品のことを好きになってくれる、また「ファン」になってくれるのは、コミュニティ運用の担当の方の共通した願いです。この共通項で初対面のみなさんがここまで素直に、真摯にコミュニケーションされている姿は、コミュニティ担当者としての理想の姿だと感じました。参加者のみなさま、安心してお話できる場づくりに協力いただきありがとうございました。

今後も「オフサイトミーティング」をきっかけにした新しい試みが実現することを楽しみにしています。

■関連情報 参加企業プロジェクト一覧

アサヒのサプリ ディアナチュラ・ディアナチュラ コミュニティサイト「Dear-Natura&me」(アサヒグループ食品株式会社)
クラブサンスター(サンスター株式会社)
ダイワファミリークラブ *オーナー専用サイト(大和ハウス工業株式会社)
デジモンパートナーズ(東映アニメーション株式会社)

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